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レビューやライフハックなことを書いています。たまに真面目なことも書きます。

SNSにおけるビジネスモデルとは何か?大きく分けて3つモデルが存在する。

SNSという新しいしくみにおけるビジネスモデルはなにか。
少しまとめてみましたので、どうぞ。

 

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・1つ目のモデル 広告収入


 SNSにおける収入源となるビジネスモデルには、大きく分けて3つのモデルがあると言われている。

 1つは広告収入型タイプモデルと呼ばれるものである。

これは、インターネットのサイトに他社の広告等を表示させることにより、他社(広告スポンサー)から収益(報酬)を得ているモデルである。以前のmixiなどが、この収益モデルを積極的に採用していた。

 この広告収入モデルは、いかにSNS登録ユーザーに広告のページを表示させ、広告を見る機会を作るかが大きな収益ポイントになる。

また、一定の収益を上げるためには、広告記載企業の契約数、表示数がある程度必要になる。さらに、記載企業との契約もある程度のページビュー数がないと難しい。

これにより、初期の準備として多くの利用ユーザー数を必要とするため、ユーザー数確保のためのサーバ設備投資等が重要になる。

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・2つ目のモデル 課金


 2つ目は、ユーザー課金型タイプモデルである。
これは、企業が提供しているインターネットサービスに対して、そのサービスの利用料をユーザーから徴収するというものである。

一般的なパターンとしては、SNSの基本機能は無料で利用できるが、一部の便利機能のみ、有料オプションで使用可能といった形で提供されることが多い。

具体的な例としては、SNSサイト上でユーザー自身のアバター[ 自分自身の分身となるWWW上のキャラクターやその総称のこと。]を自由に変更、表示できるシステムを構築し、容姿の変更や色の変更に使う一部アイテムを有料にすることによって、ユーザーに課金させるといった形が挙げられる。

このモデルは、広告収入モデルに対して、比較的ユーザーの意見や要望等を取り入れることが、直接収益につながるモデルであるといえる。

・3つ目のモデル 他サイト誘導型


 3つ目は、他サイト誘導型モデルと呼ばれるものである。

これは、上記2つのモデルと大きく異なり、SNS自体を収益の中心にしようとしない形のモデルである。

SNSは利用ユーザーを増やしたり、定着させるためのツールとして捉え、そのユーザーを他のサービスに誘導、あるいは連動させることにより、そちらから収益を得ようとするモデルである。

また、対象には自社、他社を問わない。

このモデルは、双方の相乗(シナジー)効果を狙っていると言える。

 近年では、この3つのモデルを複数組み合わせて運用し、収益を得ることが一般的になってきている。

SNS業界の現状はどうなっているのだろうか?浅い歴史とバーナーズ・リーの存在

 

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・現代におけるSNS

 

 2016年現在、SNSはビジネスをはじめ、さまざまな場面でのコミュケーションツールとして発展を遂げることとなった。このSNSのひとつであるブログ[ ウェブをログするという意味のウェブログを略した言葉。]は、WWW[ World Wide Webの略。インターネット上で提供されるハイパーテキストシステムのこと。]の開発者であるバーナーズ・リーが1992年に初めてシステムを構築し、利用したと言われている。

その後2003年に利用料が無料のレンタル式ブログが初のサービスを開始し、爆発的にブログを利用するユーザーが増加した。

これにより、SNSというサービスシステムがライトユーザー層にも一般的なものとなった。

 さらに、ユーザー同士のコミュニケーションにより重点を置いたSNSである、mixiFacebookGREEなどが登場したのも、今からほんの10年前の2004年のことである。(2ちゃんねるなどの掲示板サービスは以前から存在した)

当時は、単純にSNSを作る、というシンプルな人と人を繋げるためのサービスであったが、人と人とを繋げることに重点を置いたため、利用ユーザー数は連鎖的に増加することとなった。

また、日本では携帯電話向けのサービスに重点を置いたこともあり、同時期に携帯電話を不特定多数に対してのコミュニケーションツールとして使うユーザーが爆発的に増加した。

 

 

・アップルによって開かれたスマホの時代


 のちの2007年にはアップル株式会社のiPhoneが発表され、スマートフォンの時代がやってくることとなった。

日本でも、2010年~2011年にかけてスマートフォンが急速に普及したことにより、従来の携帯電話向けのSNSは転換期を迎えることとなった。

ボタン式のシステムがタッチパネル式に変わり、通信は大容量転送の通信システムが確立され、従来のSNSはシステムを変更、あるいは追加せざるおえなくなったのである。

また、この時期に合わせて、スマートフォン向けにサービスを開始させたものにLINE株式会社のLINEなどが挙げられる。

 近年では、そのSNSの既存の基盤を軸とした新しいサービスが登場している。

具体例としては、キュレーション[ 人の手によって情報やコンテンツを収集、整理し、それを元に新たな価値を付けて共有すること。]サービスやクラウドソーシング[ インターネットを利用して不特定多数の人に対して、業務委託や受注をするwebサービス、またはアイデア、コンテンツなどの総称。]などの不特定多数の人に共有や委託をするサービスが挙げられる。

 各国々の企業や公的機関などの様々な分野や場面においてもSNSの導入が行われている。具体的には、日本の首相官邸においても、SNSを利用した情報の発信が行われている。

その他社内でのコミュニケーションツールとしてや、支店ごとでの地域格差の解消のためなどに、多くの企業が社内SNSの導入を進めている。

 

SNSの利用率


 また、現在の日本でのSNS利用者は、約5487万人(2,013年12月末)であり2,016年末には6870万人に達するとされている。

 さらに、ICT総研による、2013年5月実施のアンケート調べでは、約55%の人が何らかのSNSを利用している、と回答している。

最大のシェアを誇るLINEは、スマートフォン利用者の約半数が利用しているということである。最低でも、スマートフォンを所持している2人のうち1人が何らかのSNSを利用しているということである。この利用率は、今後数年で更に加速してくと予測されている。

mixiの歴史的変遷をさらに深く掘りさげる その2

・始まりのファインドジョブ

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 1997年11月に東京大学在学中(大学3回生)の笠原健治が、当時の求人広告業界に対して、求人広告の掲載料は高すぎないか、という疑念を呈したことが株式会社ミクシィの始まりであった。

これにより、クリエイターや事務、エンジニアなどを中心としたIT系求人サイトである、ファインドジョブの運営を開始したのである。

ファインドジョブは、SNSであるmixiのサービスを開始するまでの同社の主な収入源であった。

 のちの1999年6月に社名をイー・マーキュリーとして有限会社化、さらに2000年10月に株式会社化している。


2001年2月には、ニュースリリース配信の代行をする事業である@Pressの運営を開始したが、こちらは2005年8月に事業を譲渡している。

 その後、求人広告事業に加えて、メディア事業(のちのソーシャルネット事業)の立ち上げに伴い、2004年にSNSであるmixiの運営を開始した。

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mixiの誕生


mixiは同時期に開始したグリー株式会社のGREEと並び、日本で最も早くサービスを開始したSNSである。

当時は、既に登録しているユーザーから招待を受けないと新規登録ができないという、招待制のシステムを採用していた。

 SNSmixiが好調だったこともあり、2006年2月に社名を現在の株式会社ミクシィへと変更し、同年9月に東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場した。

上場初日は買いの注文が殺到し、初値が付かなかったが、最終的に公開した価格の2倍以上となる315万円まで値を上げて取引を終了した。

 また、上場当初の売上高の比率は、ファインドジョブmixiの倍ほどあったが、前年比と比べた伸び率が、ファインドジョブが78.9%でありmixiが4620.6%とmixiの伸びが著しい時期であった。

6年後の2012年には、ファインドジョブの売上高が約10億円、mixiの売上高が約130億円になるなど、約13倍もの差がつくことになった。

 

・分社化へ


 2011年4月には、当時業績があまり芳しくなかった求人広告事業である、IT系求人サイトのファインドジョブを分社化し株式会社ミクシィリクルートメントを設立した。この内部事業の分社化には、各事業の効率化を目的としていた。

 2013年には、さらに多くの事業を展開することとなった。1月の株式会社ミクシィ・リサーチの子会社化や、7月のアイ・マーキュリーキャピタル株式会社の設立にはじまり、9月には株式会社ノハナを設立した。さらに同年10月にスマートフォン向けゲームである、モンスターストライクの運営を開始し、11月には株式会社コンフィアンザの全株式を取得し、子会社化した。

 2014年4月には、ゲームアプリであるモンスターストライクが大ヒットし、ユーザ数が500万ダウンロードを突破することとなり、同社の大きな収入源となりつつある事業へと急成長を遂げることとなった。

mixiについて少し辿ってみる。ファインドジョブの誕生とイー・マーキュリー

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そもそも株式会社ミクシィとは?

 

 株式会社ミクシィは、日本国内で2004年にサービスを開始したSNSであるmixiや1997年にサービスを開始したIT系求人サイトであるファインドジョブ等のインターネット関連事業をメインに運営する企業のことである。

 

資本金は2014年3月31日時点で70億340万円であり、従業員数は連結で364名である。近年では、スマートフォン向けゲームアプリである、モンスターストライクの運営やインターネットポイントサイトであるモラッポの運営も行っている。

 現在の取締役会長である笠原健治が1997年にファインドジョブを立ち上げた当初の社名は有限会社イー・マーキュリーであったが、2006年の東証マザーズへの上場にあたって、業績が好調であったSNSmixiから名前をとり、社名を現在の株式会社ミクシィに変更している。

 

事業内容は?


 現在の主な事業概要としては、インターネットでの求人サイトの運営などを行う求人広告事業(現在は分社化)と、SNSスマートフォン向けゲームの運営等を行うソーシャルネット事業の2つを行っている。

 有限会社イー・マーキュリーの立ち上げ当初は、求人広告事業のみの運営であり、2004年のメディア事業立ち上げ当初も、求人広告事業が売上高の大部分であった。ところが、メディア事業が立ち上げ後急速な成長を遂げ、2012年3月期時点での売上高では比率がおよそ1:13になるほどになっている。

・進む子会社化


 さらに近年では、多くの会社を子会社化している。インターネットリサーチサイトであるミクシィ
リサーチの子会社化や、2013年にサービスを開始した、スマートフォンで撮影し、アップロードしたフォトをフォトブックにできるサービスであるnohanaを同年に子会社化した。

 また、IT系求人サイトやSNSスマホ向けゲームを運営するにあたって、「全ての人に心地よいつながりを」というコーポレートミッションを掲げている。

これの一環として、ソーシャルメディア健全化の取り組みに力を入れており、さまざまな自治体や学校法人へ向けて、講演や出張授業、学校の企業訪問学習などの活動を行っている。

さらに、近年ではSNSを利用した未成年者をターゲットとした犯罪も増加しているため、未成年者へ向けた利用規約違反の書き込み等を防止するために、15歳~17歳のユーザーと18歳以上のユーザーの利用環境を区分している。これにより、18歳以上は不特定多数の15歳~17歳ユーザーのプロフィールを閲覧できず、15歳~17歳は不適切なコンテンツや広告が表示されないようなシステムとなっている。

さらに、24時間365日の運営によるパトロール体制を構築している他、ユーザーから直接情報を得る手段として通報機能の設置している。

これにより、運営が悪質と判断したユーザーに対しては随時警告を実施し、従わない場合や緊急性が求められるものに関しては強制退会の制度を設けている。

インフォーマル・グループとホーソン実験 現代への密接な関わり

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今回は、かの有名なホーソン工場にて行われた「ホーソン実験」について少し。

社会学や、心理学においても重要な勉強項目であり
私も以前に講義を受けたことがある分野です。よろしければ参考にしてください。

 

 

・超有名な伝説の実験


ホーソン実験という言葉をご存じだろうか。

ホーソン実験とは、アメリカに当時存在した、ウエスタン・エレクトリック社にて行われた実験のことである。

この、ホーソン工場にて1924年から1932年にかけて人間の動機づけに関する研究、実験が行われたのである。

巨大企業、大学、財団らが企画し、エルトン・メイヨーや、ハーバード大学のF.J.レリスバーガーらが参加する大規模なプロジェクトとなった。

 

 

・1つ目の実験、証明実験


この、ホーソン実験では、大きく分けると4つの実験が行われた。

1つ目は内容証明実験である。これは、作業員たちが作業を行う作業場の明るさの明度を変えることが、どの程度、実際の作業効率に影響してくるのかを実験したものである。

当然、作業場が暗くなるにつれて、効率は悪化するものと思われた。

ところが、どれだけ暗くしようとも、作業効率は下がらず、むしろ徐々に上がるという結果がでることとなったのである。

これを元に、メイヨーやレリスバーガーは作業効率に他の心理的な何かが影響しているのではないか、という仮説を立てることとなった。

 

 

・2つ目の実験、継電気組立実験


2つ目は継電気組立実験というものが行われた。

これは、通常通りに工場の作業を行うのだが、前述の証明実験で立てた、心理的要因が何かを探るために、休憩時間や食事、部屋の温度などさまざまな環境における条件を変えながら、作業効率がどのように変化するのかを実験したのである。

この実験では、6名の女子作業員が対象となったが、結果は、どのように環境の条件を変えても、実験が進むに連れて作業効率は一定の率で上昇したのである。

 

 

・3つ目の実験、面接調査実験


3つ目は面接調査実験と呼ばれたものである。

これは、21126人の労働者に対して、対話形式で行った実験である。普通に話を聞く、というものだ。

その結果、労働者は行動から感情を切り離すことができず、労働に対しての意欲は、労働者の過去の経歴や職場での人間関係が大きく影響していることが多いという結果が明白となった。

・4つ目の実験、バンク配線作業実験

最後は、バンク配線作業実験と呼ばれるものだ。

この実験は、作業員を、配線、ハンダづけ、検査の3つのグループに分け、お互い密接に関わる状況で作業させ、その状況を観察する、というものである。

この実験は集団奨励制(生産量が多い場合は奨励される)がとられていた。

しかし、作業員はそれぞれに生産高を制限し、集団独自の標準作業量を決めてしまったのである。

 

 

・工場作業員は「インフォーマル・グループ」を大事にする


この4つの実験を行った結果、作業員は仕事を通じて独自の人間関係を自然発生させ、インフォーマル・グループを形成していることが分かったのである。

これは、会社などのフォーマルな規律よりも、職場の人間関係など、インフォーマル・グループの統制力に従う傾向があるということである。

つまり、インフォーマル・グループの集団規範が会社などの組織的な目標を支持していれば生産効率は向上するということである。

この実験は賛否両論の批評が現在も続いているが、社会集団における個人の心理的影響を発見した重要な社会調査だったと私は考えている。

ザ・ゴールという伝説の本に出会った話。ボトルネックの徹底的な改善

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ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か

かの有名な経営学の神様である、エリヤフ・ゴールドラット(エイリヤフとも訳される)先生が書いた、ザ・ゴールという伝説の小説があります。

工場における生産性の効率化について書かれた本書ですが、私もこの本に大きな衝撃を受けた一人です。
日本では、なぜか17年間翻訳が許されなかった、いわくつきの本です。

以下は、当時に書いたレビューですが、よろしかったらどうぞ。(かなり簡略的です)

 

 

 

・この本と出会って


本書は、私が数々のレビューサイトを読んだ中にも多くの声が上がっていたことで知っていた。

日本語の翻訳本は、オリジナルの出版から17年後だったといういわく付きの本である。

出版されてから20年以上経つ現在でも、ビジネスマンの入門書・バイブルとして真っ先に紹介される本書だが、最近までその内容を深く理解しようとする機会がなかった。

 

 


2 本書で取り上げられていること


 本書は、とある機械産業の工場長を任されている、アレックス・ロゴという人物を中心にストーリーが展開する「小説」である。

工場の業務内容を改善するためにはどうすればよいのか、というテーマについて深く掘り下げられている。

小説ではあるが、その内容は驚くほど実践的であり、実用的である。

「全体の最適化」と呼ぶ考え方に基づいて経営をいかに立て直すかという内容が小説風に語られている本書だが、全体を通して一番重要な部分は、やはりTOC(制約条件の理論)だ。

 

3 TOC


 TOCとは、サプライチェーン・マネジメントの原点であり、一言で表せば「改善」である。TQC(トータルクオリティコントロール)とは違い、ボトムラインを改善する活動のみを指している。TOCは5つのステップで成り立つ。

ステップ1として、まず「制約条件の特定」をすることによって工場の物理的な制約条件を見つけることから始める。

プロセスを制約しているボトルネックを特定することによって全体の改善を図る。
この「真」の制約条件から重点的に取組むとこが重要である。

次にステップ2だが、「制約条件の活用」をする。制約された資源を最後の一つまで全て使い切り、限界まで生産能力を引き出すことを実践する。実際の工程では、様々な要因で生産能力を100%発揮できていないからだ。これによって最大限まで効率性を上げる。

ステップ3では制約条件に「従属」させる。生産工程のプロセスを最小限にし生産スピードを向上させるために、他のプロセスをボトルネックにあわせて行う。これによって全プロセスのバランスを維持する。

ステップ4で制約条件を「強化」する。設備を増強する、人員を増やす、などの物理的対策を行う。これによって、ボトルネックの能力を拡大させる。

最後にステップ5で再度、「制約条件を特定」する。ステップ4までのプロセスで、制約工程の能力を向上させたため、その工程が変化している可能性がある。そのため、今まで進めてきた正しい行動が崩れないように注意しながら、ステップ1に戻り繰り返し行動する。

上記の5つのステップを実践することにより、生産効率を格段に向上させることができる。

 

4 まとめ

 本書全体を通して感じたのが、ボトルネックを改善することの重要性だ。

ジョナという登場人物のアドバイスを参考に工場経営を次々に改善していくなど、この小説にはTOCの全てが物語調で書かれている。

また、経営の悪化や工場閉鎖の危機など、主人公アレックス・ロゴを取り巻く様々な環境変化がとても丁寧に描かれており、閉鎖寸前の工場を救うためにボトルネックの改善に挑む登場人物たちの苦労や、目標を達成した時の興奮がリアルに伝わってくる。

ビジネスの醍醐味を感じさせるストーリーであり、そのストーリー展開も非常に楽しめるものがあった。

 本書は、世界で250万部売れたのにも関わらず、出版されてから17経つまで、日本語の翻訳がされなかった。

この理由については、「解説」で「日本人は、部分最適の改善にかけては世界で超一級だ。その日本人に『ザ・ゴール』に書いたような全体最適化の手法を教えてしまったら、貿易摩擦が再燃して世界経済が大混乱に陥る」と書かれている。

日本でもう少し早く本書の翻訳が行われていたら、今の世界経済は変わっていたのではないだろうか。

mixiに経営戦略は当てはまるか?マトリックス融合と今後

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・株式会社ミクシィにおける戦略融合


株式会社ミクシィSNSであるmixiは、他社SNSの増加や端末の変化などの要因が重なり、そのシェアは衰退の一途をたどっている。

以前も触れたうように、mixiにおける幽霊会員率は増加する一方であり、このままでは全ユーザーの過半数を超える勢いである。

株式会社ミクシィのセグメント別売上高を見ると、2011年3月期までは広告売上を中心としたビジネスモデルで事業を展開してきたことがわかるが、2014年3月期の収益では、課金売上が収益の中心と成り替わっている。

広告による売り上げは、そのほとんどがmixiからのものである。これが、現在ではモンスターストライクを中心とした課金売上と逆転しているのである。

 このような事象からわかるように、モンスターストライクは、mixi事業から多角化を経て現在大ヒットを記録している。

 

 


・戦略的分析


アンゾフの成長マトリックスから見ると、モンスターストライクは間違いなく企業における多角化戦略の成功事例だと言える。

中でも、多角化の枠組みの中では集中型多角化の事例であり、同社のインターネットを使ったソーシャルシステムを活用して、ゲームアプリの市場へ参入した。

一般的な集中型多角化では、あまり大幅な事業拡大は見込めないものであるが、モンスターストライクは従来のシステムから、より人とのつながりを実感できる独自のゲームシステムを採用したことにより、大幅な事業拡大へと発展することとなった。

スマートフォン向けゲーム市場自体が急速な成長を見せており、今後さらに市場規模が広がることが予測されている。

このことから、モンスターストライクを含むスマートフォン向けゲームは今後も継続的に売上を伸ばすであろう。

 しかし、モンスターストライクにおいても、将来的にmixiと同じように他社のゲームが溢れかえり、衰退する可能性があることもまた考えられる事象である。

アンゾフの成長マトリックスは、その製品や資源の成長できる可能性を的確に表したマトリックスであるが、その枠組みを最終製品と最終市場でしか捉えていない。(のちの1986年に、アンゾフ自身も技術の介入要素を示唆している。)

 そこで重要になってくるのが、企業独自の中核の力、つまりコア・コンピタンスである。

モンスターストライクへの多角化の事例においても、株式会社ミクシィがもつ、ソーシャルの力が重要な役割を果たしているのではないだろうか。

ファインドジョブmixiの運営から培ってきた、人と人を繋げるソーシャルメディアの力が株式会社ミクシィという企業の中核だと捉えると、のちのモンスターストライクの開発コンセプトにも合致するのである。

事実、これによってモンスターストライクは大ヒットし、mixiの不調で経営が傾こうとしていた株式会社ミクシィの危機を救おうとしている。

株式会社ミクシィは、アンゾフの成長マトリックスに沿った多角化によってその事業を成功させたが、その事業の維持や、企業全体の成長性を長期的に考察すると、企業のコア・コンピタンスがその全てを支える重要な基礎になってくる。

事実、株式会社ミクシィが今までに展開してきた事業は、人と人とをインターネットで繋げる、といったサービスばかりである。

 のちに、モンスターストライクが衰退する結果となったとしても、他社に負けない企業独自のコア・コンピタンスが存在する限り、何度でも新規市場や新規顧客への事業展開が見込めるのではないだろうか。